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これで、いいのだ。

■オープニング

遠い地平線に夕陽が沈み、
夜の帳が下りる時、
不意に訪れる感情の気流は、
きょうも懸命に駆け抜けた命の営みの証です。

過ぎゆく時は一瞬。
2度と戻らぬ今日を、愛おしく振り返り、
満天の星空を眺めていると、出会いの奇跡が思い出されます。

できなかったことを悔やむのではなく、
できたことを喜ぼう。

感情は、心の声。
「じゃっど」というのは、鹿児島の方言で
「そうですね」という相槌に使う言葉。

おやすみ前のひと時、
心の声に「じゃっど」と寄り添い、新しい明日を迎えるための
「物語」の定期便。

「じゃっどストリーム」

皆様の本日の最終便、お供いたしますのは、
わたくし、5人の子育てママウンサーの岡本安代です。

■本日の物語■

【これで、いいのだ。】

 

ある晴れた日。

幼稚園から帰ってきた子供達と久しぶりに近所の公園へ出かけた。

 

仕事を終え、束の間の時間だった。

夜はPTAの役員会議。

保護者活動の守備範囲は、想像以上に広い。

公園から戻り、慌てて家族全員分の夕飯をこしらえて、会場である体育館へ向かう。

これが親のさがだろうか。

会議中も気になるのは留守にしている家のことばかり。

子供たち、みんなちゃんとご飯食べてくれてるだろうか?

体育館を出ると、もうあたりは真っ暗だった。。

駆け抜けた1日を振り返り、
思わず「今日も頑張った、アタシ!」と自らに声をかける。

三日月の周りを星がたくさんきらめいて、夜なのに眩しく感じた。

 

『ママー!何時に帰ってきますかー?』

自宅からの着信に、ふと我に返った。

アタシには、ぼんやり空を眺めている時間はない。

 

毎日を必死に追いかけている母の私。決して不満に思っているわけでない。

でも、たまに欲しくなる、慌ただしさからの解放。

ただ、その慌ただしさがなくなった瞬間に、寂しくなってしまうものなんだろうな、ということも、なんとなくわかっている。

 

ないものねだりなんだろうなぁ。

 

きょうが、もう終わってしまった。
何が出来たかなぁ。アタシ。ふと夜空を見上げて、大きく深呼吸する。

答えが出せないことも多いけど、きっと今日もやれることはやったはずそう言い聞かせ、
家路を急いだ。

『お仕事、役員活動111、ありがとうございましたー!』

家の玄関を開けると、子供たちが「おかえりなさい」の代わりに声かけてくれた。

 

 

そうか。。。これでいいのだ。そう。これで。
目の前に、これといった成果が見えなくとも、
「今日も、かあさん、頑張った」と自分で思えたら、それで十分に違いない。

 

私は勢いよくリビングに駆け上がり、今日一番の元気な声で言った。

 

「ただいまーーー!!お留守番、ありがとうーーーー!!」

 

■エンディング・ナレーション

遠い昔、幼い頃に物語を読んでもらった記憶を辿りながら、
夜空を見上げると、あの時と変わらず、
星がまたたいていることに気がつきます。

満天の星空に、夜間飛行のジェット機の翼のランプを見つけると、
興奮して指差す我が子の姿に、自らを重ね、
誰かと共に刻む時の尊さを感じずにはいられません。

たくさんの笑顔を、ありがとう。優しさを、ありがとう。

お送りして参りました今日の物語が、
あなたの心に、優しく「じゃっど」と寄り添えますように。

おやすみ前のひと時、お届けいたしました「物語」の定期便、
「じゃっどストリーム」

夜間飛行の
お供をいたしましたのは
わたくし、5人の子育てママウンサー岡本安代でした。

明日もみんなが無事で、元気に、笑顔で過ごせますように。

 

 

 

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