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2年目の風格。

2年目の風格

朝。
誰よりも早く起きた男子がいた。
セーマンである。
気が付けば彼は中2になっていた。
2年目の風格。
早いもので、彼が弁当番長の1人として始動してから1年がたった。

思えば1年前の春。

中学生になったばかりのセーマンは
弁当番長として活動を始める自分にわくわくしていた。
小学生最後の春休み中は、
『中学生になる前に、練習したいです!』
お弁当を作った日々が、懐かしい。
しかし、中学生になった途端に、
コロナ禍で学校生活もままならず、
お弁当番長としての出番を失うことが多かった。
その分を埋めようと
機会があれば、
『僕が作っていいですか?!』と名乗りでる。
作れば作るほど、手際の良さが磨かれていった。
13歳の伸びしろを感じずにはいられなかった。

まるで、板長。

暴れん坊将軍だったセーマン、一瞬目を離したすきに姿を消すことが多かった。

それはつまり、幼い頃の彼は一瞬たりともじっとしているタイプではないことを意味する。

いつの頃からだろうか、ひとたび台所に立つと「無」になる瞬間が訪れるようになった。

彼が「動」と「静」を併せ持つようになったのは、
台所という場所を知ってからのように思う。

無心でキャベツを刻んだ。

そして、たけのこも刻む。

「母上、どうしましょうか〜。タケノコ使ってなにがありますかねぇ〜」

今週のテーマはタケノコ。

セーマンは昨夜から悩み倒していた。

あれやこれや、と悩んだ挙句、思いも寄らない方向へと終着した。

「チンジャオロースーとか作ろうかと思ったんですけど、料理本見てたら、やっぱり、食べたくなったんですよね。最高ですよね〜。タケノコ入れてもいいですよね?」

___いや、むしろタケノコが入ると歯応えが加わってとても美味しそうだ!!
いいじゃん!いいじゃん!

刻みキャベツ、刻みタケノコ、そしてひき肉。

この全てを豪快に混ぜ合わせる。

「よし!」

ここからもうひと手間。相変わらず、もはや夕飯の手間ひま。

これは、文句なしの献立だわ・・・。

母は、現場を離れ、朝食の準備へ。
セーマンは、一人黙々と作り続けた。

もはや、職人。

坊主頭の醸し出す空気は、いつものキッチンを板場に変えた・・・。

 

嗚呼、まるで板長のようだ。その安定感、ゾクゾクする。

次男特製メンチカツ弁当

だいぶ大きくなったもんです。

小学生から中学生の扉を開けた途端、急激に身長も伸びた次男。

ミンチ、キャベツ、タケノコをこねて、成形して・・・

お?!ハンバーグかしら?!

「すみません、衣用意してもらっていいですか?!」

なんと、カツにするらしい。衣を付け始めたではあるまいか。

朝だ。
今は時間との戦いがなんともシビれる、朝なのだ。

母にとって、フライというのは夕方もしくは夜の行動心理学。

「あとは揚げるだけですから。(きっぱり)」

セーマン・・・あなた・・・
ちょっと微笑んでいるではあるまいか。

今日は休日か?いや違う・・・。
最近、朝のお弁当作りにおいて、セーマンは笑顔を見せることが多い。

嬉しいのか?楽しいのか?
なんだかそういう類を超えてる気がする・・・

いわゆる・・・・ゆとりの笑顔だ。

余裕のない母とは大違い・・・・

↓余裕のない母。

少ない油で、大きめのフライパンで、蓋をして、一気に蒸し揚げていく。

「よし!火が通ってる!」

必ず、味見・仕上がりの確認まで怠らない、次男セーマン。

是非、村長(パパ)にも見習って欲しい。(←妻、心の叫び。)
↑村長は、味付けに自信がないのに、味見もしないだけでなく、高確率で味付けをし忘れるという強者。そしてそれを食べるのは子供たちという現実。オーマイガー。

そして完成した
次男セーマン特製
たけのこシャキシャキ食感!特製メンチカツ弁当!

お弁当用に、5人分、そして弟と母にも作り置きという、もはや仕出し屋セーマン。

大変良くできました。

全ての食材に感謝。

今日も元気に・・・・

行ってらっしゃーい!!!

動画はこちら。

 

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