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バレンタインでの弟の気遣い

もう先月のことになるけれど、忘れたくないバレンタインの日の思い出。

受験生のみーたんから

家族全員にバレンタインのお菓子がプレゼントされた。

すべてにメッセージ付き。

男性陣だけでなく、

母、姉にまで、お菓子とお手紙が添えられていた。

ええ?!いつの間に?!

家族全員びっくりした。

「あ、いや。。。作る時間はなかったんで、買い物行ってきましたー!」

そうだったんだーー!!
ありがとうーーー!!!

思いがけないバレンタインのプレゼントと、
全員の好みがしっかり把握されたお菓子のチョイスと、
一人一人に向けたお手紙に、

家族全員が温かい気持ちになった。
きっとみーたんは、一人一人のことを思い浮かべながら
選んでくれたんだろうな・・・と思うと、
なんだか食べるのがもったいないくらいだった。
翌日。
みんなでみーたんからもらったバレンタインのおやつを
シェアして楽しもうということになった。

「イェーーーーーイ!!!」

みんなで嬉しそうに、お菓子の箱を開けながら、
こんなにいろんなチョコ菓子を一気に味わうことができる極楽に、胸を膨らませていた。

みーたんは食卓その盛り上がりを

嬉しそうに眺めて、笑っていた。

「みーたんも一緒にたべようーー!」

それぞれがみーたんからのプレゼントであるチョコ菓子を
惜しみなく出し合った。

「うわーーい!いただきまーす!!」

弾む声、明るい食卓。

ただ、一人だけ、浮かない顔をしている。

末っ子コーマルだった。

___どうした?コーマル・・?

「いや、、、なんか。。。。悪いなぁ・・・て思って。」

え?なんで?!

みんなで食べようよー!!!

「みー姉ちゃんが、一生懸命、その人のために選んでくれたお菓子とプレゼントなのに、自分たちで、しかも、みー姉ちゃんの目の前で分け合うって、なんか、申し訳ないなぁ・・・って思って・・・。」

「そうか・・・。確かに。」
「言ってくれてありがとう。。。。」

そうつぶやきながら、食べる手が止まる兄者たちに

みーたんが驚きながら、笑った。

「いいですよ!いいですよ!みんなで喜んで食べてくれるのが、嬉しいから!!!ありがとうー!コーマル、気を遣ってくれて!!」

みーたんの言葉に、ホッとしたように、
こーまるは、チョコチップクッキーを頬張った。

「みー姉ちゃん!美味しいです!ありがとうございます!」

「ありがとうございまーす!」

みんなで食べたバレンタインは、いつも以上に優しい味がした。

そして、母さんは、この我が子らの何気ないやりとりを忘れたくないと思った。

ハッピーバレンタイン2021

いつもありがとう。

 

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