おじいちゃんのオープンサンド

岡本安代

3年前

冷蔵庫クリーンナップ大作戦。

「え？今週はテーマないんですか？！」

うーん、テーマがないって言ったら、ないかもだけど、

冷蔵庫の中を、みんなで整理整頓しようキャンペーン。

「ってことは、なんでも作っていいってことですね？！」

冷蔵庫にあるもので、ね！

「やったー！！」

「オープンサンド、作ってもいいですか？！」

お！いいね！

「いつもじっじが美味しそうなの、作ってるんですよねぇー！！」

じっじとは、私の父のこと。

母は仕事やら地域の役員やらで家にいないことが多くなった。
昔では考えられないけれど、今や父が母に代わり、昼食、夕飯を仕込む日が多いのだ。

父のオープンサンドは、マヨネーズに辛子を混ぜたり、

マスタードを加えたり、
トマトの水分をしっかりとったり、

卵焼きを重ねたり、揚げ物を作ったり、
野菜の塩揉み、水分抜きに余念がなかったり。

オープンサンドには関係ないが、

モヤシはヒゲを取る作業から始めたりと、何かと芸が細かい。

それも、料理が好きであればこそ、
食べることが好きであればこそ。

実は、昔から、母より父の方が料理が得意だということは、

私たち子供たちは知っていた。
母がお産で入院していた時の父の作ったご飯が美味しかったという記憶だけはしっかりと残っている。

それは、孫たちにも、
自然発生的に、しっかり伝わっているらしい。

カニカマサラダ、コールスローサラダ、卵サラダ、などなど

野菜中心にたっぷりパンに挟み込んで
セーマン特製サンドイッチを完成させた。

「できた！！！いやーー！美味しそうだ！！」

朝から、テンションが上がっていた。

作りたいもの、食べたいもの、そして、みんなに喜ばれるものを作ることができて、大満足のセーマン。

大変よくできました。
食べることは生きること。

美味しそうに頬張るみんなの顔を思い浮かべると

なんだかわくわくする。

そんな1日。

すべての食材に感謝。