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5:プロフェッショナル・坊主の流儀⁉️

少年を救った姉の言葉

 

コーマル「どうしよう・・・(>_<)野菜炒め作ったらいつもみんな喜んでくれるから、野菜炒めを作ろうって思って・・」

カンちゃん「キュウリ切ってたの?」

コーマル「・・・うん。」

頭の中では野菜炒めを作ろうと、全力を傾けていた料理戦士コーマル。

 

でも実際の手元は、いつも作り慣れている定番のキュウリのコールスローに一直線。

習慣という威力は実に凄まじい。

コーマル「・・・どうしよう(゚ー゚;」

コーマルは、すがるように姉を見た。

カンちゃん「いいよ、いいよ!どっちも作ればいいじゃん!コーマルなら、すぐ出来るよ!」

コーマルは「え?!いいんですか?!どっちも作っても…」

カンちゃん「逆にみんな喜ぶと思うよー!コーの美味しい料理をどっちも食べられるんだから!
あ、冷蔵庫にカニカマあったから、キュウリコールスローに入れてみたら?もっと美味しくなりそうじゃない?」

コーマル「うわー!カン姉ちゃん、すご〜い!さすがー!」

さっきまでのコーマルの焦りに似た表情が一転、早くどちらも作りたくてウズウズしているかのように、声が弾んでいた。

温かな姉心。

 

カンちゃんからカニカマを受け取ったコーマルの表情は、
これでもかというほど、目がキランキランしていたという。(カンちゃん談)

そんなカンちゃんが、今回全ての写真を撮ってくれているが、
記録を綴りながら、思いがけず 姉目線をダイレクトに感じることができ、
母は思わずニヤけてしまった。

姉も、弟をとても愛おしく想い、慈しんでくれているんだと思うと、
胸が熱くなった。

仕切り直して、コーマルは、野菜炒めに取り掛かった。

キュウリをそこまで切っておきながら、まさかの野菜炒めかーい!と心でツッコミながら、母は遠くからその行く末を見守った。

もう外はだいぶ暗くなってきた。
それは、コーマルが料理を始めてからだいぶ時が流れていることを表していた。

プロフェッショナル坊主の流儀。

一番仲良しの直近の兄セーマンが帰宅した。

汗だくの体を清め、お風呂に入って、陣中見舞い。

セーマン「お?!コーマルー!何作ってるの?!すごいねー!」

いつもなら、コーマルは全てを投げ出し、大好きなお兄ちゃんセーマンとハグして走り回って大騒ぎするところだが、今日ばかりは違っていた。

兄の全力ハグにも背中で返事をする。

 

まさかのプロフェッショナルコーマルの流儀。

コーマル「よーし!野菜炒めできた!お皿、なんでもいいですか?!」

どうぞどうぞー。木の皿とか、どうぞー。

コーマル「ありがとうございますー!盛り付けますねー!」

ようやっと3品目のゴールが見えた。

コーマルの定番レシピ。じっくり弱火でキャベツの野菜炒めが完成。

コーマル「えーっと、パパは一番多めに・・次にタイ兄ちゃん・・・」

ブツブツ呟きながら、一皿一皿盛り付けていく。

コーマル「カン姉ちゃんはそんなに食べないですよね。最近・・・」

・・・笑。

5人兄弟の末っ子あるある。想像以上によく見える 。よく見てる。

7人家族で一番若い末っ子コーマル。
下から見上げる家族の様子はどんなものなのだろう。

呟きの中に、末っ子としてのコーマルを垣間見たようで、嬉しくなった。

コーマル、いいぞ。大したもんだ!あともう少しだ。頑張れ。

 

母は待つぞ。姉も兄も、みんな待っているぞ。
いつもの夕飯時刻はゆうに過ぎていた。

それでもみんな何もいわず、あえて手を貸さず待ち続ける。

それが姉と兄からのコーマルへのエールだった。
すでに料理始めから3時間が経過していた。

(次に続く→)

【2018年8月4日 「姉の言葉と弟の目のきらめきと」より】

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