子育てエッセイ

1:ソーセージの逆襲。

きっと、2018年7月30日という日は
末っ子コーマルの人生において大切な記念日になるかもしれない。

そんな思いを胸に、母は少し具に記しておこうと思いました。

将来、息子が大人になって、この記事を読んだ時、
「こんな日があったんだー」とか、「よーし!これからも頑張ろう!」とか、
「お兄ちゃんお姉ちゃんありがとうーっ!」て、思ってもらえたら、
それはとても素敵なことだと思ったからです。

長編になるかもしれません。(←可能性大です・・・汗。予めご容赦下さい。)
できるだけ1記事1記事は見て頂きやすいよう、コンパクトにまとめようと思っております。

もしお付き合い頂けるなら、大きな大きなお心でお付き合い頂けますと幸いです。

 

突然現れた料理戦士

 

それは、主婦業第2ラウンドを前に、
夜に向けて鋭気を養うべくソファに横になっていた母に
突然起こった出来事だった。

まだ明るいはずなのに、瞼の上に大きな影を感じた。

何事ぞ?!とハッと目を開けると、

頭上にはフライパンを持ったコーマルが佇んでいた。

ど、ど、どうした?コーマル?!

コーマル「このフライパン、使っていいですか?!」

う、うん、、いいけど。。。

コーマル「今日はコーが夕飯作るって言ってたでしょ?!
そのために早く帰ってきたんだ!ママ、忘れてた?」

あ、そうだった!ん?そうだったけ・・・?!

そういえば、母が貧血と暑さで溶けそうになった時、
「夕飯はコーが作るから、ママは寝ててね!」って言ってくれてたっけ・・・。

あの言葉がまだ有効だとは・・・思ってなかったわ…

母はゆっくりと体を起こし、突如現れた料理戦士を身守った。

少年の報・連・相

 

コーマル「ソーセージ、使っていいですか?」

どうぞ。どうぞ。

末っ子コーマルは、驚くほど機敏に台所へ走っていった。

冷蔵庫に上半身丸ごと突っ込んで、ソーセージを探すコーマル。
ドアの隙間から覗く真顔のコーマルに思わずニヤリ。
コーマル「開いてるヤツ、ないですよね?
封が開いてない新しいヤツ、使っていいですか?そして、どれだけ使っていいですか?!」

末っ子コーマル、石橋は叩いて渡るタイプ。
というよりむしろ、報告、連絡、相談は絶対に確実に行う。

食材を使うときも、道具を使うときも、ありとあらゆる確認を怠らない。(・∀・)

コーマル「これ使いますね!一人1本ずつ、使っても大丈夫ですか?!」

どうぞどうぞ。

コーマル「よっしゃ。」

小さくガッツポーズするコーマル、料理番長始動。

コーマル「ソーセージは焼くだけだし、いつもやってるし。」

彼は自信に満ちていた。その表情からも見ても明らかだった。

ソーセージの逆襲

コーマル「えーっと。。ソーセージは、、タコさんウィンナーにして・・・そして、、、、あ、そうだ!コーがこれまで作ったことがあるヤツだったら、一人でも大丈夫かな・・・」
キッチンでブツブツ呟きながら、一人で今日の献立を段取っていた。
母は、コーマルの本気を感じた。
台所というフィールドにおける、レジャーでなく、ミッション。
それはもしかしたら、冒険なのかもしれない。
よし。行け。台所戦士コーマル!
母は、あえて距離をおいた。
台所というリングで、一人で戦うコーマルに、エールを送ることだけに専念したのだ。
そう、リングの上にはコーマル1人。母はリングサイドでウォウウォウウォウ。
戦いの火蓋が切って落とされた次の瞬間、足音が聞こえた。

コーマル「ママーーーー!!大変だ!ソーセージが!!!」

 

・・・ソーセージが?!(一体どうした?)

コーマルは焦っているようだった。

それは、頭で考えていたことと、
目の前に起きていることの不一致がもたらす、魂の叫びに他ならなかった。

(次へ続く)

【2018年7月31日「①ちびっ子料理番長、始動」より】

 

 

 

ABOUT ME
岡本安代
鹿児島を拠点に全国で活動するリアクション大きめのフリーアナウンサー。元鹿児島読売テレビアナウンサー。大家族率いるパワフルアナウンサーママとして日本テレビ系バラエティ番組「人生が変わる1分間の深イイ話」で密着放送以来、愛と元気溢れる肝っ玉母ちゃんぶりが全国的に注目される。5人の子育て経験を生かし、家事と育児と仕事の両立するための独自のマネジメント術が全国で話題となり、全国で行う講演会は、「聞いた瞬間から元気になれる」「明日が変わる」とリピーター続出、総講演回数1000回を超える。言葉の力「安代塾」主宰。メディア出演、司会業の他、朗読、演劇活動も行う絶賛子育て満開中の5人の子育てママウンサー。