2020年3月21日、晴れた日に。
お弁当持って、出かけた原っぱ。
___あ!ちょうどいい棒、見つけた!
すごい!いい感じだー!
剣みたい!かっこいいーー!
次男セーマンは、広場で見つけた木の棒を握り締め、
刀のように振り下ろしてみせた。
__あ!そうだ!
剣道みたいに、上手に振り下ろすにはどうするんだろう?!
剣道といえば、カン姉ちゃん!よし!聞いてみよう!
ねえ!ねえ!カンねーちゃん!
剣道教えてくださいーーー!
___お、いいよー!
ブンっ!ブンっ!
まっすぐ勢いよく空気を切る。
しなる木の棒が、まるで剣のように、鋭く見える。
___おー!すげー!かっこいーーー!
ねえ!ねえ!カンねーちゃん!
こう?
ブンっ!ブンっ!
弟は、見たまま感じたままに、姉を模した。
いくつになっても、変わらない、姉と弟。
いくつになっても、そのままでいて欲しい、姉と弟。
いつまで続くのか、と途方に暮れていた日常を
いつまでも続いておくれと、急に掴んで離したくなくなる、母ちゃんあるある。
いつまでも続かない日常を自覚した瞬間に、
母というのは、急に寂しく感じたり、切なく思ったりする生き物なのか。
ねぇ!ねぇ!ねーちゃん!
あれだけ、騒がしく日常を覆っていたはずのフレーズも、
今となっては、聞き足りない。
これぞ、最高の、日常。
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