オモウコト

▶︎我が家なりの儀式。

いつもご訪問ありがとうございます。5人の子育てママウンサー岡本安代です。

東日本大震災から早9年。
この日の記憶は、絶対に忘れられない。そして忘れてはならない。
そう思います。
そして、風化させない努力が必要だとも思っています。

命あることの奇跡、防災への意識、日常の尊さ、当たり前なんて一つもない、ということ。
幸せの意味を思い知り、そして、今あることの意義を噛みしめる。
時間というものは、傷を癒やしてくれるかもしれませんが、風化させてしまう可能性も秘めています。
親としてできること、色々あるかと思いますが、
我が家では、ずっと続けている儀式があります。
私たちは、3月11日を決して忘れません。

今日は3月11日

東日本大震災から5年。

家族で決めた我が家なりの追悼の儀式がある。

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5年前、被災地取材から帰ってきた父から聞いた、当時の被災地の今。

「体育館で身を寄せ合い、落ち着く場所もない。
ご飯は、ボランティアによるおにぎりと豚汁。
寒さ厳しい毎日。毎日豚汁には長蛇の列が出来ていた。
着るものもない、食べるものもない、寝るところもない。
ホッとする時間もない。そんな場所もない。
一番辛いのは、大切な人を見つけることができない。
たとえ見つかったとしても、最愛の人の声を、二度と聞くことはできない。」

辛くても、寂しくても、悲しくても、お腹は空く。

被災地の人たちは
どんな思いで、おにぎりを噛みしめただろうか。
どんな思いで、豚汁をすすり飲んだだろうか。

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東日本大震災を風化させないために、私たちに出来ること。

それはきっと忘れないということ。

3・11を忘れないためにと始めたことがある。

3月11日の夜はおにぎりと豚汁。

家族で、静かに頬張った。そして、考えた。

自己満足かもしれない。
でも、これが我が家なりの追悼の儀式。

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「おにぎり、美味しいーーー!」と喜ぶ末っ子。

去年まで、このおにぎりと豚汁の意味が、まだ小さい末っ子には分からなかった。

でも今年は違った。父と母の話に、じっと耳を傾けていた。

きっと続けることに意味があると思う。

ずっと続けていれば、きっと忘れない。
このおにぎりと豚汁の意味を。

そしていつもある生活が、いつもあることだとは限らないということを。

「自分だけ幸せでも幸せでないことを知りました。
自分の幸せはみんなの幸せの中にあるんですね。」

夫が被災地でインタビューした女の子の言葉が、今改めて蘇る。

家族が全員無事だったという小学校5年生の女の子が発したこの言葉に、
震災の悲惨さが滲む。

あれから5年。
中学3年生となった女の子は、今何を思い、どのように過ごしているのだろうか。

豚汁をすすり、おにぎりをほおばりながら
顔も名前も知らない女の子に思いを馳せた3月11日。

奇しくも全国的に冷え込んだ今日。
当時、被災地には雪が降り積もったという。

一日も早く、一人でも多くの人に、幸せを感じられる日常が訪れますように。

【2016年3月11日付 「我が家なりの儀式」より】

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そして、今年も例外なく、おにぎり豚汁を頂きました。
決して忘れません。3月11日を。
震災で亡くなられた皆様のご冥福を心からお祈り申し上げます。