夏休みに入って、母の毎日はとてつもなく濃密になった。
最近、子供たちよりも早く寝てしまう。
おそらく今自分の持っている全ての体力を、この夏休みは毎日使い切っているからだろう。
気がついたら、寝ている。そんな毎日。
目覚めると、まだ外は暗い。
この薄暗く、まだ涼しいうちに、大体の家事を済ませ、
午前6時前には子供部屋に向かう。
カーテンを開け、空気を入れ替えるのだ。
ゆっくりと起き上がる子供たち。眠い目をこすりながら、朝を覚知する。
「ほらー!朝だよー!ラジオ体操行くよー!」
ラジオ体操は、母の体に改めてスイッチを入れてくれる。
よし。さあ、きょうも1日頑張るぞ。
そう気合を入れてスタートした朝。
飯炊き、送迎、炎天下の電車旅。掃除洗濯、打ち合わせ。
めくるめく夏の1日。
オリンピックの感動に震える一方で、瞼が重なることに抗えない私。
記憶と気力が徐々に遠のいていく。
「母上!もう寝たらどうですか?!」
この声の主が誰なのかさえも、わからなくなっていた。
・・・午前4時半。
まだ誰も起きてこない朝は、仕事がはかどる。
私は昨日綴っておきたかった1日の営みを諦めきれずにいた。
ハッとして目覚めた私は、慌てて持ち場についた。
そして、私は思わず、口元が緩むのを感じた。
私を待ち受けていたのは、私が大好きなお菓子。
そして、そこには置き手紙が添えられていた。
いつもおつかれさまです。
母上、どうぞ。
次男セーマンの字だった。
いつもそうだ。
セーマンはいつもふとした時に、母に心の栄養を処方してくれる。
成長とともに母の手から離れ、ともに過ごす時間も減る一方で、
昔から変わらぬセーマンらしさに触れることができたことがとても嬉しかったし
不覚にも、泣けてきてしまった。
私の大好きなココナッツサブレ。
むむむ。いつもなら、秒でなくなるけれど
どうしたことか、もったいなくて食べられない・・・。(°▽°)
いつもありがとう。
夏休み、まだまだこれから。頑張るぞ!