オモウコト

▶︎子ども達が教えてくれたこと。

いつもご訪問ありがとうございます。5人の子育てママウンサー岡本安代です。
コロナ感染拡大防止のための自粛生活が続いておりますがいかがお過ごしでしょうか。
片付けや整理整頓に精を出す方も多いと聞きます。
かくいう私も、この時間を借りて、昔の思い出の整理をすることが多くなりました。
これは、今から6年前の2014年4月のことです。

新年度が始まり
あっという間にもう4月も中旬。

新しい環境に不安を抱く暇もなく、
怒涛の提出物に、PTAに、家庭訪問に、と
年末大掃除の再来のような慌ただしい毎日。
連日、学校や幼稚園から配布されるプリントの量に、
今更ながら、子供5人というボリュームを感じています(笑)

さて、今日は「子供が教えてくれたこと」というテーマでお話したいと思います。

晴れた日、私は子供達を連れてよくお墓参りに出かけます。
いつもと同じ道を通り、お参りに向かう中で
毎回、子供達はいろんな発見をしながら目的地に向かいます。
一年を通じて同じ日は1日だってありません。
「今日は空が高く感じる!」
「見て!ミツバチだ!」
「今日はいつもと風が違うね、ジメジメする。雨が降りそうだね。」
春は春の、夏は夏の、
それぞれの季節を子供達は肌で感じています。

自分たちの知っている限りの知識を出し合い、
自然の力を借りて互いに五感を刺激しあっています。

実はそんな我が子らの戯れる姿が
ご先祖参りのもう1つの楽しみでもあります。

まだ自分が幼かった頃、
祖母に手をひかれ、何度も往復した道が、
時を経て、母になり、手を引く立場になると、
全く違った風景として、私の胸をときめかせるのです。

「あの子達、今日は何を発見するのかしら・・・。」と。

春のお彼岸には桜が満開でした。
子供達は
「うわー!桜だー!きれーい!」と大はしゃぎしながら、
桜の木を首が痛くなるほど見上げて、その美しさに酔いしれました。

今週始め、満開だった桜を愛でた場所には
小さなタンポポが一面に広がり、優しく風に揺れていました。

「あ!タンポポ!いっぱいあるー!」
言うが早いか、我が子らは
みずみずしく光る芝生の中に走り出しました。
「春も、もう終わりかな〜、暑い夏がやってくるね〜!」
母が呟くと、4歳の末っ子が言いました。
「まだ春は終わってないよー!ほらー!」
指先に目をやると、いつの日か舞い散った桜の花びらが
足元を覆っていました。
「春は、まだここにいるよ〜!」
と花びらを集める我が子達。

なるほど。
春の残り香を、見逃さない子供達と、見逃してしまった母。

目の前をミツバチが横切れば
追いかけ、少しもじっとしていないのです。

「あ!お花の中にミツバチが顔を入れてる!!蜜を吸っているんだねっ!」
「綿がいっぱいついてる花もある!」
「綿毛っていうんだよ」
「わたげ?」
「そう!タンポポのタネ。風に吹かれると飛んで行って、
タネを遠くまで運んでくれるんだよ!」
「すごいすごいっ!」
「「ふーっ!」ってしてもいい?」
「いいよー!一緒に飛ばそうっ!」

何気ないやりとりも、この時期だけのとっておきの会話の1ページ。
長女が中学生となった今、しみじみ感じることがあります。
「雪が溶けたら何になる?」
一度は耳にされた方も多いでしょう。
知識、技能など見える学力が導く答えは「水になる」。
一方で、感性や情緒など見えない学力が導かれる答えは、
「春になる」と言われます。

これから、子供が大きくなればなるほど、知識、技術などの目に見える学力に、
つい目が向いてしまうかもしれません。
しかし、母として今の自分に刻みたい意識。
それは、いくつになっても、いくつになろうとも、
人としての根底を形作る感性や情緒を
日常から大事にして向き合っていきたいということ。

子供は、自分がしたこと、してもらったことを
いずれ自分の子供に繋いでいくように思います。
だからこそ今の時間は、きっと未来へのバトン。

その日の夜。
折り紙を眺めながら、新小学1年生の次男が言いました。

「あ!ピンクの折り紙!これは何の折り紙か知ってる?」
「え?それは、お兄ちゃんからもらった折り紙でしょ?」
「ちがうよー!これは春の折り紙!だって桜の色だもの!」
「そして夏の折り紙は青!プールと海のしるし!」
「秋は黄色!イチョウがとってもキレイなんだー!」
「そして冬は白!真っ白な雪は冬だけだもーん!」

再びなるほど。
母、完敗。
我が子の感じた色、いろいろ。
そして我が子から感じた四季、いろいろ。
年を重ねるたびに見えることも、いろいろ。
そして年を重ねるたびに見えなくなることも、きっといろいろ。
毎日が、気付きと学びの連続です。

母さんという職業は、実に奥深い!と感じる日々。
だからこそやりがいがあるのかもしれません。

【2014年4月21日付 ウェブエッセー】

ABOUT ME
岡本安代
鹿児島を拠点に全国で活動するリアクション大きめのフリーアナウンサー。元鹿児島読売テレビアナウンサー。大家族率いるパワフルアナウンサーママとして日本テレビ系バラエティ番組「人生が変わる1分間の深イイ話」で密着放送以来、愛と元気溢れる肝っ玉母ちゃんぶりが全国的に注目される。5人の子育て経験を生かし、家事と育児と仕事の両立するための独自のマネジメント術が全国で話題となり、全国で行う講演会は、「聞いた瞬間から元気になれる」「明日が変わる」とリピーター続出、総講演回数1000回を超える。言葉の力「安代塾」主宰。メディア出演、司会業の他、朗読、演劇活動も行う絶賛子育て満開中の5人の子育てママウンサー。