みんなー!元気ー?!やすバーンも、元気!元気ーーー!
そうだけどさ、大丈夫?!
オクラの筋を撃退したい
「あー、何作ろっかなー。」
・・・え?まだ考えてなかったの?
「肉巻き、肉詰め、オクラ料理大体攻めてるじゃないですか。
オクラ、スジあるからなー。」
弁当番長歴5年目を迎えた背中は、今も昔も変わらないように見えるけれど、
確実に、着実に、関係性は変化してきたように見える。
細かく切ったオクラ。
「どうすればいいですかねー。」
息子が母に相談することは、実は珍しい。
___この時間だし、3食ご飯とかいいかもね。
「ひき肉あります?」
___あるよー。
「じゃあ、そうします。」
いつも誰よりも情熱的に弁当に取り組む長男タイ兄だけれども、
この日は、少し疲れているようだった・・・。
そうだよなあ。
人間だもんなぁ。誰だって、キツかったり面倒だったり思うことってあるもんな・・・。
母は静かにその後ろ姿を眺めていた。
ひき肉をカサマシしたい。
「三食ごはんっていったら、、、卵ですね。」
___そうそう。
熱々に熱したフライパンで作り出したのは炒り卵。
どんなに眠くとも、どんなに頭がまだ回転してなくとも
三食ごはんと聞いて、無意識に手は動くらしい。
気がつけばごはんの上には黄色い卵が乗っていた。
「おー!さすがやね!」
___あー。まあね・・・。
こういう時は、短いフレーズに限る。
朝のテンションは人それぞれ。そしてモチベーションも様々。
最近の長男には、短い言葉がちょうどいい。
「このひき肉、全部使ってもいいんすかー?」
卵を作り終えたフライパンで、そのままそぼろを作り始めた。
ここまでの時間はものの数分。フライパンが活発に動き始めた。
ジュー、ジュー。
実にいい音だ。
__そぼろ、少なかったねぇ・・・カサマシできればいいけど・・・・
「本当だ、足りないっすね・・・」
しばらく考えたタイ兄は、思いたったように動き出した。
「あの、タマネギ、使っていいっすかね?」
___どうぞ。もちろん。
フライパンには、ちょうどいい塩梅のひき肉がすでに完成していた。
長男特製オクラ弁当!
ザッザッザッザッ・・・
相変わらずの手際よさで、タマネギを切り始める。
いつもは涙目になりながら切っていた中1坊主も、いつの間にか、目の瞬きをも忘れるほどのスピードでタマネギ を切ることができるようになった。
「よし。一緒に炒めます!」
ジュワーーーーーー!!
軽快な音が鳴り響く。
後発組のタマネギ を思わせる違和感は、いつの間にか打ち消されていた。
「よし!あとは、オクラだ!」
__そうだった!そうだった!オクラだ!
どうした?どこ行った?
「これ、レンチンしたんですけど、味付けどうしようかって思うんですけど、どうしましょう?」
___塩昆布とかは?
「いいっすね!」
あくまでも主導は、弁当番長。台所番長である母やすバーンは、あくまでも提案するのみ。
迷いに迷いながら、たどり着いた完成路。すべり込みセーフで完成した
週1弁当番長、長男タイ兄特製オクラで三食弁当!
ドーーーーーン!
食べることは生きること、作ることは学ぶこと。
作ることに意義がある。続けることに意味がある。
大変よくできました。全ての食材に感謝。